奇跡の逆さ富士に出会う旅 ー残寒の柳沢峠越え編ー

奇跡の逆さ富士に出会う旅 ー残寒の柳沢峠越え編ー

3月も終わりを迎える頃、「大菩薩ラインを走りたい、途中で桜見れるでしょ」というざっくりした計画のみで走り出した旅。桜を早い段階で確認し春を感じていたが、山道を走り標高が上がるにつれて冬に逆戻りしていった。今回はそんな冬と春を行ったり来たりする旅の様子、一日目の後半戦をご覧いただこう。

前回の丹波山村、道の駅「たばやま」より、まずは山梨県甲州市へ向かう。

大菩薩ライン-登り-

丹波山村を後にして、さらに大菩薩ラインを西へ西へと進んでいく。勾配は緩やかではあるが、じわじわと登っている為どんどん気温が下がっていくのを全身で感じる。厚着してきてよかったぜ。

村を過ぎてからは民家が極端に少なくなっていった。本格的に山の中を走っていくわけであるが、ここで冬の足跡を発見した。のんびりと流れる柳沢川の向こうで、溶けるのを待っているかのように残雪が佇んでいた。桜を見た後で雪を見ることになろうとは。

木々の間に雪が あの辺りは日が当たらないらしい

不意に頭のなかでnobodyknows̟+ feat.シゲルBROWNの「Fallin’」が流れ出した。寂しさを漂わせる冬の空気にシゲルBROWNの低音がマッチする。

先ほどの丹波山の村では川に中流っぽさがあったが、この辺りまで来るとグッと上流感が出てくる。川岸の石が大きさを残していて、水温は更に低いみたいだ。

芽吹きにはまだ時間が必要だ

地図で現在地を確認すると、いつの間にか甲州市に入っていた。

ナイスなカーブ
ごみは持ち帰るんだぜ

そういえば、ここまで走ってくる途中で花魁渕という場所の横を通り過ぎたのだが、そこは有名な心霊スポットらしい。肝を冷やす必要がなかったので立ち寄らなかった。おススメはしないが暑くなったら行ってみたらいい。自己責任でな。

日差しが落とす影が長くなり始めた。先を急ごう。

ゆるいカーブが続く道をさらに登っていく。正面に太陽があるので少し眩しいが、影に入ると途端に冷気に襲われる。太陽は偉大だ。

少し進んだところで、駐車できるスペースがあり川に降りれる道があったので行ってみる。さっきの山肌と同様に冬景色が残っていた。

なんとなく北欧感ある

近くには室伏なら一人で施工できそうなサイズの橋が。やや朽ちているがしっかりしている。対岸には何があるわけでもなかった。狩猟用にこしらえたのだろうか。

こいつはいい

橋の上から川を眺める。水流はとにかく美しかった。たぶんそのまま飲める。というか飲んだ。雪解けの冷たさが喉に突き刺さった。

ここで一句

素晴らしい景観にテンションが跳ね上がりセルフタイマーで写真を撮った。コンセプトはない。恥も外聞もない。

分かりづらいが足下は川だ

靭帯を損傷してから運動不足だった自分の身体は、想定より重たかった。懸垂は不可能に等しい。鍛えなおそう。

川と森を軽めに堪能して、再び走り出すことにする。この辺りからは道路の脇に雪が残っていた。脳内BGMに佐々木恵梨の「ふゆびより」。口笛を奏でながらゆっくりと進んだ。

寒さと日差しが心地いい

勾配がややキツくなり始め、路面が僅かに湿り気を帯びていた。朝方は凍結していたのかもしれない。ずっと川沿いを走っていたが、途中で川は見えなくなり山森を縫うように登っていく。

柳沢峠

登りが終わると同時に右手に峠茶屋が姿を現す。柳沢峠に到着したようだ。バイクを停めて一服。

やなぎさわとうげ
上の写真は彩度をいじった 素の写真だと見えにくいね

標高1472m、、、そんな高さまで登ってきたのかと驚いた。前方には奥に富士山が、御坂山地(たぶん)もうっすら見える。左側から連なる山々は日川尾根の辺りだろうか。。。地図と照らし合わせての憶測なので詳しい方いたら教えて。

後方や左右は山森があるので限定的な眺望ではあるものの、長かった大菩薩ラインを抜けて見える景色は格別なご褒美と言えるだろう。

峠茶屋は営業していなかった。残念の極みだが仕方ない。

正面の案内板には「八王子 81km」との記載が
読んだことは覚えてるが内容は覚えていない石文

大菩薩ラインを走りたいだけでロクに調べなかったので、峠の名前はこの時初めて知った。まあいつも調べちゃいないんだけど。ここが大菩薩ラインのおおよその中間地点らしい。ワンダと巨像で言えばまだ8体目を倒したところである。ここからは長い下りが待っている。

時刻は15時半。どちらかと言えば日帰り寄りの考えで出発したが、怪しい時間になってきた。先を急ごう。

大菩薩ライン-下り-

峠に別れを告げて下り始める。そしてすぐに気付いた。先ほどの登りは一貫して緩やかだったが、こちら側はそうでもないらしい。鋭いカーブが多くキツい勾配が続いている。ロベルト・カルロスでもここまで曲げられないだろう。

山肌に沿って道を作るのは難しかったようで、所々で橋になる。高さも相まってなかなかに爽快だ。

きもてぃー

脳内BGMはハイロウズで「青春」で決まりだ。冬の峠から春の平地へと降りていく。

日陰は寒すぎる

枯れ木も山の賑わいではあるが、暖かくなれば緑が増えてさらに景色も楽しめることだろう。紅葉の季節も綺麗なはずだ。

アトラクションみたいなカーブが続く。自然と加速してしまうが皆も安全運転を心がけろ。

まったりいこうぜ
高低差がすごいんだから

少しづつ気温の上昇を感じる。僅かに見えていた雪もなくなり、露出した肌に触れる空気が柔らかさを帯びていった。

快速で下り続けると途中で駐車スペースがあった。観音様に手招きされてご挨拶に伺う。

さけいしかんのん

少なくともやらしい事は考えていなさそうな顔の観音様だ。積み重ねられた岩が絶妙なバランスである。

観音の視線の先

近くには温泉宿があるようで、こちらもお招きの空気を出している。冷えた身体を温めるために本気で行こうか悩んだが、ここで行けば間違いなくもう運転する気にならないだろう。断腸どころか切腹の思いで諦めた。

念能力みたいな名前である。

機会があればぜひ宿泊させて頂きたいものである。

温泉を尻目に再び下り始める。坂は少しだけ勾配を和らげたが、やはり角度は強めだ。ブレーキをちょくちょく入れていかないと吹っ飛ぶ可能性があるから気をつけるんだぜ。

気を抜けばこうなる

ここからは民家が徐々に姿を見せ始めた。横を流れる重川と共に下っていくにつれ、周りを囲んでいた山々が遠くなっていく。脳内BGMはジャパハリネットで「星霜のさくら」。ちなみにPVの遠藤憲一さんが妙にマッチしていて素晴らしいのでぜひ観てみるといい。

柳沢峠から長いこと下ってきたが、ずーっと楽しい道だった。塩山の街の辺りでようやく平坦道になり、久しぶりに信号が車輪を休憩させる。それにしても既に12年も走り続けても尚、こんな旅に付き合ってくれる50㏄に感謝。スクーターってこういうもんじゃないからな。

見えてないが右奥の山から下りてきた
黒岳の向こうに河口湖

そのまま南へ向かって進んでいく。春の陽気の街をご機嫌に走り笛吹市へ入った。長かった大菩薩ラインから外れてそのまま御坂みち(137号線)を目指して南下。楽しかったです大菩薩ライン。また夏や秋に走りに来ることでしょう。

御坂みち 河口湖

137号線の手前で満開の桜を発見した。もうすぐ暮れていく日を全身に浴びている桜、、、大変に美しい。

THE満開

太陽の方に目を向けると甲府盆地が広がっている。遠くに見えるおぼろげな稜線が隔てる空の広さが、なぜか嬉しい。俺がDestiny Islands出身だったら、空に向かってキーブレードを向けていただろう。

おっきい

御坂みちに入り河口湖を目指す。正直疲れがきていたので笛吹で一泊しようか悩んだが、まだこの時点で日帰りもできると思っていた。日没まではまだ一時間以上はありそうだったので、とりあえず河口湖まで行ってから考えることに。

ここからはまた山の間を走っていく。すぐに左右は山が囲み、太陽の光を遮って気温が下がった。しかもこの道は笛吹と富士吉田を繋ぐ道だからか、交通量が多い。車やトラックに追い越されながらなので、かなり集中して運転した。トラックが横を通るときは「フンンーーー!!!」と謎の気合が入る。

景色を楽しむ余裕もあまりなかったので、ひたすら走る。脳内BGMにピロウズの「ONE LIFE」。どんなテンションでどんな景色でどんな道で、どんな靴を履いてても走れば俺の足跡だ。

御坂山を貫くトンネルに突入する。車線の幅が狭いので車に追い越させることができない。急き立てられるようにトンネルを走り続けた。

そんな風にトンネルを何個か抜けると河口湖が見えた。休憩なしで来たので意外と速かった気がするが、やっぱ疲れた。そのまま河口湖大橋へ。先ほどは頭しか見えなかった富士山ががっつり見えるようになった。

だいぶ近づいた

秋に見た時よりも厚い雪化粧をしている。やはり富士山と言えばこのイメージだ。「バナナ」と言われたときにではなく黄色をイメージするのと同じで。

かわぐちこおおはし

名の通り大きな橋である。ゆるキャン△の空気感を感じるね。

西側は夕陽が山を照らして長い影を作っている。伝説のポケモンが飛んでいそうな景色である。

ゆうやけこやけ

湖畔の駐車場にバイクを停めて一服する。すぐ近くには無料の足湯があるので吸い込まれるように足湯に浸かった。この時はたぶん18時前くらいだった。まさに黄昏時となったところで一泊するか帰るかを考える。

こんなもん一択みたいなもんだ

そして気付く。浸かった時点で帰るという選択肢が霧散したことに。

こんなもんに冷えて疲れ切った足を入れたら出れなくなるに決まっている。開き直って今夜の宿をネットで予約する。

きもちぃーんだから

放心したように足湯に飲み込まれ続けて、気付いたら一時間経っていた。なんだかんだ微回復した身体に鞭打ち立ち上がる。

湖畔の公園を少し散歩してみる。夜の河口湖もまたオツなものである。対岸の光が湖面にキラキラと揺れていた。

たばこが美味い景色
おやすみ

就寝体制に入った富士山と河口湖におやすみを告げて、予約した富士吉田のビジネスホテルへ向かう。明日の予定など何も決まっていない状態ではあるが、天気は変わらず良さそうだ。

晩御飯を済ませて富士山駅から程近いビジネスホテルへ。風呂に入って糸が切れたように眠りについた。

次回は富士吉田から富士山や、ゆるキャン△の聖地巡りの様子をお届けします。暇があったら見てくれると嬉しいです。

~身延の春と逆さ富士編~に続く

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